株式会社SCOUTERのCOOが人事を尽くして考えた

渋谷で「SCOUTER」を運営する株式会社SCOUTERのCOOがスタートアップ・組織について書いているブログです。

No1とNo2の適切な関係性

創業メンバーの重要性

 スタートアップにとって創業メンバーは何よりも重要な要素だと思います。たいていのスタートアップは人間関係の崩壊によって1年以内に消滅しているのではないでしょうか。スタートアップは初めから上手くいくことは稀です。その中で、唯一の拠り所は人間関係になるのですが、ここが破綻すると潰れなくても良い状況でも潰れます。実際RENOでも最初の一年で1名、創業メンバーが離脱していきました。幸いにも残った中嶋と山田は上手くいく関係性だったため、今でも会社は存続していますが。僕たちの関係性は絶妙であり、多くの方々から「羨ましい関係ですね」や「驚くほど凸凹がはまってますね」みたいなことを言われます。もちろん偶然このような関係性になれたということもありますが、日々僕が関係性を築いていく中で意識していたことをまとめてみました。

あるべき創業メンバーはCEOとCTO

 意識したことをまとめる前に一点、これからスタートアップを作りたいと考えている方々にお伝えしたいことがあります。それは創業メンバーは必ずCEOとCTOが良いということです。肩書きはなんでもいいんですが、要はビジョンを語れる人と、それをプロダクトに落とし込める人。この二人の組み合わせがベストです。正直僕みたいな人間は後からで構わないと思います。なぜなら、プロダクトがないタイミングにおいてはやることがかなり限られているので、No2的な動きはあまり求められません。価値を発揮しにくいですww
 実際、私たちはエンジニアがいない状況で最初の1年を過ごしたため、非常に多くの苦労がありました。その状況でも会社を続けられたのは、中嶋と山田の関係性が良かったからですが、エンジニアが最初からいたら状況は大きく違ったと思います。

攻めと守り

 ビジネスサイド二人がNo1・No2になった場合、役割分担は色々な方法があるでしょう。セールスとファイナンスマーケティングとバックオフィスなど。もちろん、それぞれの状況によって適切な役割分担はありますが、基本的には攻め(対外的な活動)と守り(対内的な活動)の役割分担がベストではないかと思います。初期はとにかく少ない人員で、幅広い業務をこなさなければいけないので、職能的な役割分担は好ましくありません。なので、攻めと守りに分けて、それぞれを横断的に行っていく。また、No1とNo2はそれぞれ、攻めと守りそれぞれに特化した素養を持った人材で組み合わせるということは重要なポイントです。僕らの場合は偶然にも素養として、攻めの中嶋と守りの山田という人材の組み合わせだったので非常にスムーズに役割分担ができていたと思います。

友達ではなくパートナー

 二点目は、中嶋と山田が友達関係ではないということです。我々は大学で知り合いましたが、プライベートで遊んだことはありませんでしたし、今でもそのようなことはありません。かと言って、仲良くないわけではないのですが、プライベートで遊びたいかと言われると、、、あまり遊びたくはないですかねww
 それほど、私たちは日常普通に過ごしていたら、交わることのないような二人なのですが、この距離感は非常に大切だと考えています。友達だと言いにくいことを言えなかったり、変な情が湧いたり、結構めんどくさそうですが、我々にはそのようなことはなく、あくまでもパートナーとしてこの会社をどう前進させていくか。その一点に対して異なる角度からディスカッションできます。守りの役割を担う人は非情な意見を述べることも時には必要で(むしろそれができないと会社は死にます)、それが当たり前に言える関係性を保っておくのはとても重要です。

8:2の関係性

 8:2という数字は会社の意思決定に対してNo1とNo2がどれだけ決定権を持つべきかの割合です。我々はこの割合を明文化しているわけではありませんが、だいたいこのくらいになるように、僕のほうで調整します。なぜ調整するかというと、僕の自論として結局正しい結論を出せるのはNo1であるという考えがあり、意見が対立した時にはNo1の意見を採用するべきであると考えているからです。当然、僕にもどうしても譲れない時はありますが、数としてはかなり少ないです。No1とNo2ではやはり責任の重さが雲泥の差であることは、No1の姿を見ればわかるので、No1が考え抜いたことに関して、僕が無闇に止めても良いことは起きないと考えています。僕ができることとしては、異なる観点からの考え方を提示して、想定できていなかった事態を認識させること。その視点を与えた上で、No1が下した意思決定に対しては何も言わずに賛成するようにしています。

まとめ

 スタートアップにおけるNo1とNo2の関係性は非常に重要です。役割分担・パワーバランス・目指している方向性。特にビジネスサイドの二人でスタートする場合は、それら全てが適切な関係性でないと、会社の存続は難しいと思います。RENOの場合はたまたま中嶋と山田が素養として上手く凸凹関係になったこと。そして友達関係ではなく、ビジネスパートナーとして関係性を深めることができたこと。No1が圧倒的な姿を見せているために、No2が不必要に意思決定を止めなくて済んでいること。ここらへんが上手く働いて、今の関係性が出来上がったのだと思います。