株式会社SCOUTERのCOOが人事を尽くして考えた

渋谷で「SCOUTER」を運営する株式会社SCOUTERのCOOがスタートアップ・組織について書いているブログです。

会社を創って最初にNo.2が提案すべきこと「創業株主間契約」

創業メンバーの離脱

 もし、自分が2年半前に会社を創ったときに戻れたとして、まず何をやるかということを考えてみました。今だったら当たり前のことも、当時の自分たちはわかってなかったため、後々になって大きな問題となって降りかかってくることが多々有ります。その中でも、創業メンバーの離脱についてはかなり大きな問題になることが多いです。創業メンバーが途中で離脱することは高い確率で起こり得てしまうものなので、それを前提に考えておく必要があったなと、反省しております。特に株式については一番最初に話し合い、厳格な契約を結んでおくべきでした。RENOでも共同創業者が途中で離脱しましたが、その際に突然音信不通になり、連絡が取れなくなりました。それから株式をどう回収するか、非常に大きな問題となったのです。最終的には何とか連絡が取れ、無事に回収することができましたが、回収にかかった労力や精神的コストは大きなロスとなりました。このようなことが起きないように、会社を始めた一番最初に話し合いの時間を持つよう提案するべきです。

No.2が提案しなければいけない理由

 株式についての提案をなぜNo.2がするべきなのか。No.1が切り出すものではないのかという疑問が生じるかもしれません。これに関して、僕なりの考えとしては、No.1はメンバーを最も信じる人間であり、信じることで人を集める存在だと考えています。その人が辞める時にはこういう取り決めにしておこうと切り出すのは、本人としてもあまり心地が良いものではないでしょうし、性格的に決めなくても大丈夫だろうと思う方々が多いのではないかと思います。僕としてはそれがNo1のあるべき姿だと思いますし、だからこそ、最悪の事態を想定して事前に対処方法を考えるNo.2がいるべきだと思うのです。そのため、No.2になった方は、会社が始まった一番最初のミーティングで創業者間での株式の取り決めを提案することをお勧めします。

オススメの創業株主間契約内容

 問題を真正面から経験した僕からすると、一番のお勧めは期間を設定して、その間に会社を去った者の株式は必ず出資時の簿価で買い取ることができるというものです。内容的にはかなり厳しい内容なんですが、これくらい拘束力を強くしておかないと、結局回収に手間取ったり、無駄な時間が増えます。また、これに納得できないようなメンバーを創業者として迎え入れるのはかなり危険だと思います。こちらの方式が難しいようだったら、リバースベスティングという手法をとるのもお勧めです。これは途中で辞めた時に、持っている株式を買い取られる率が年々減っていくという仕組みで、二年働いたら、50%は辞める人が自分で保有できるようにするなど、期間ごとに買い取る割合を変えていく手法です。これならば、働いた期間の貢献に対しての報酬は残る形で会社を去ることができますので、辞める側も納得しやすいと思います。

まとめ

今回のエントリーのまとめとしては以下の三点です。

  1. No.1はメンバーを最も信じるべき存在のため、No.2こそ最悪の事態を想定した提案をするべきである

  2. 創業株主間契約はとても大事なので、一番最初に話し合い結んでおくべき

  3. 創業株主間契約の内容はできるだけ厳しく。リバースベスティングは選択肢として想定するべき

No.2の方は株式のトラブルが起きないよう、必ず結ぶように提案しましょう。No.2として一番最初の大仕事になります。