株式会社SCOUTERのCOOが人事を尽くして考えた

渋谷で「SCOUTER」を運営する株式会社SCOUTERのCOOがスタートアップ・組織について書いているブログです。

総額1.5億円の資金調達をして変わったこと・変わらなかったこと

シリーズAの資金調達が完了いたしました

先日、正式に発表させていただきましたが、株式会社SCOUTERは総額1.5億円の資金調達を実施いたしました。 調達の内容や今後の展開について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

thepedia.co

今回の調達も本当に多くの方々に支えていただいからこそ実現したものであり、ご支援していただた方には本当に感謝しかありません。必ずやサービスの成長という形でお返しできるよう邁進していきます。

シリーズAを迎えて変わったこと・変わらなかったこと

SCOUTER社は昨年、シードとして資金調達を受けてから1年ちょっとでシリーズAを迎えることができました。目まぐるしく変化する日常に戸惑いながらも、成長のスピードを日々実感しております。その中で振り返ると、会社として変わったこと・変わらなかったことがありました。シリーズAというと、会社の露出がグッと増えたりとか、オフィスが綺麗になるなど、外から見た変化のほうが気づきやすいですが、今回は会社を創業から見てきた立場として、経営者の目線で内部の本質的な変化をまとめてみたいと思います。

変わったこと

問題のほとんどが「人」の問題になった

1年前はこれほど「人」の問題に悩まされるとは思いもしませんでした。当時のメンバーは自分を含めて4人。全員が同じ熱量で、同じ方向に向かいながら仕事をするのが当たり前。議論の対象は「事業」そのものしかありませんでした。しかし、従業員が20人を越え、部署ができ、組織になっていく。その中で当然、モチベーションの差が生まれたり、異なる方向性でぶつかることが多くなっていきました。この規模になると、「人」の問題が、一言の号令でどうにかなるものではなくなってきます。バックグラウンドも異なれば、会社の入ってきた理由も違う。そんな中で、共有されている"あたりまえ"は徐々に減り出し、コミュニケーションが複雑化していく。20人の組織というのは、人を「頂点」の数として見るとそれほど大きくないと感じますが、20人をそれぞれのつながり「辺」の数として見ると膨大な数になります。それだけ人が増えていくと指数関数的に組織は複雑化されていき、特に部署間での隔たりなどが非常に少ないスタートアップのこのタイミングこそ、もっとも従業員間のつながりが複雑で、コミュニケーションコストが高まる瞬間となります。「経営」というのはこの組織の複雑化・コミュニケーションの複雑化を抑制することが日常的には最大の仕事なのだと最近感じています。これまでは「事業」そのものに触れて、自分たちで直接議論し、意思決定してきたものが多かった。半分以上はプレイヤーとしての時間でした。しかし、今は組織の複雑化を防ぐため組織体制を考えたり、ミッション・ビジョンを統一したり、戦略を構築したりと、社員の思考の焦点を絞り、コミュニケーションがシンプルになるよう努めることが一番の仕事となっています。そういう意味で、頭の使い方が全く切り替わった1年間でした。自分が全てを把握し、手を下せるうちは想像もできないような問題が次々と起きる。それに一つずつ真摯に向き合いながら、組織として問題を解決する。そんなフェーズに入ったのだと実感しております。

計画が必要不可欠になった

1年前と比べてとにかく関係者が増えました。従業員・株主・クライアント・ユーザー。1年前は数えるほどしかいなかった関係者が、今では数千という膨大な数になりました。その中で感じることは、本当の意味で「計画」がないとどうにもならなくなるということです。もちろん、どんな時にでも計画というのは必要ですし、重要です。しかし、やはり立ち上げ期のスタートアップにとっては何よりも「実行」が重要であり、完璧な計画を作り上げる前にまずやってみるのがあたり前でした。それが関係者が増えるごとに徐々に変化していきます。関係者が増えるということは一つの活動・意思決定の影響範囲が広くなるということです。そして多数の合意が必要になってきます。ここに思考の変化が求められます。最も合理的に考えて、これまではまずやってみるのが正解だった。しかし、いつしか最も合理的に進めるには、計画を作り・共有し・合意を取ることが必要になってくるのです。計画がなければ、結局のところ上手く進まない・最後に破綻する。それに合理的に気づいた時、自分自身が変わらなければいけませんでした。頭ではわかっているつもりでいた計画の重要性も、様々な破綻を経験して真の意味での必要性を理解できるようになりました。

変わらなかったこと

SCOUTERに対する想いとそれを伝える重要性

SCOUTER社はこの1年間であらゆることが変化しました。戦略も組織も財務状況もメンバーも。一つ一つを見ていったら1年前と同じ会社だとは思えないほどの変化です。しかし、その中でも変わらないことが1つだけありました。それは「SCOUTER」というサービスに対する、そして「株式会社SCOUTER」という会社に対する想いです。それはメンバーを見ても同様のことが言えるように感じます。日々目まぐるしく状況が変わり、それに対して相当なハードワークが求められる中でも、それを楽しむことすらできるのは、やはりこの想いの部分にあります。今でも1年前と全く同じ想いを持ち、1年間同じことを伝え続ける。それでも、気持ちは冷めるどころか、より高まっていく。この想いに出会えたことが僕にとっても最大の幸運だったと思います。「SCOUTER」には人材業界を変える可能性を持っている。人々の人生をより良くできるきっかけを作ることができる。転職者に最も寄り添ったサービスになることができる。そして、その中心には必ず「人」がいる。「人」にしかできないことを追い求め続け、時代に合った「人」中心の社会を提示し続ける。SCOUTER社のこのスタンスは1年間全く色褪せることなく我々の真ん中にいつづけ、そしてこれからも僕たちを連帯させる最大の要素になっていくと思っています。だからこそ、その想いを発信し、伝え続けることが創業メンバーとして、創業メンバーにしかできない仕事だと感じております。

おわりに

自分は自分のことをとても冷淡で、冷たく、合理的な人間だと思っているのですが、そんな僕でも熱狂してしまう組織がSCOUTER社です。この想いの火は絶対に消してはいけなく、灯し続けなければいけないと素直に思うことができる。そんなSCOUTER社はシリーズAの資金調達を行い、歴史上最大の勝負の1年を迎えます。これほどエキサイティングなタイミングはありません。そして、その時間を一緒に戦う仲間がまだまだ足りません。プロダクトを最高のものに仕上げ、転職体験を劇的に改善する。そんなチャレンジを共にしてくれるメンバーを募集しております。少しでも気になったら、まずはオフィスに遊びにきてください。

【募集職種】

新しい転職体験を創り出すデザイナー

技術で人の人生を変えるエンジニア

最高のクオリティでユーザーに感動を提供するCS

急速成長を支える少数精鋭の営業