株式会社SCOUTERのCOOが人事を尽くして考えた

渋谷で「SCOUTER」を運営する株式会社SCOUTERのCOOがスタートアップ・組織について書いているブログです。

【たった5STEP!!】COOが社長の信頼を勝ち取る方法を教えます

会社を創業して4年半が経ち、僕にはいつの間にかCOOという肩書きがついていました。最初からCOOをやりたいと思っていたわけではないですし、気づいたらそうなっていたと言った方が正確でしょう。そして、組織は少しずつ大きくなり今は十数名のメンバーがいます。色んなメンバーが入り、そして去ることもありました。その中で会社を去って行った人の多くは社長との信頼関係を築けていなかったなとふと思いました。もちろん、良い会社の去り方をした人もいましたが、やはりネガティブな去り方をする方はまだ多いです。もちろんそれは組織課題として今後解消していかなければならないのですが、今回は個人の方に焦点を当ててみたいと思います。僕は「創業メンバー」だからと特別視されることがあります。でも、それは間違いだと思うんです。「創業メンバー」だから社長と上手くやっていけてるわけではありません。創業メンバーで会社を去ったメンバーもいます。それは上手く行かない人の言い訳に過ぎません。僕はいつ、どんな立場で入ったとしても社長との信頼関係を築けると思いますし、社長との信頼関係を築くことはその会社で生きるその人にとって、非常に重要な要素だと思います。信頼関係を築くことが、物事をスムーズに進め、自分のチャンスを増やし、結果として多くのリターンを得ることができる。スタートアップで仕事する上で一番最初に行うべきことは社長との信頼関係を築き上げる事だと思うわけです。今回は社長を一番近く見てる立場としてどうしたら社長からの信頼を勝ち取ることができ、自分の仕事をやりやすくできるかまとめてみました。あくまでも僕なりのやり方ですが、社長と特別仲が良いわけでもなかった自分が社長と信頼関係を築いていきた方法なので、多くの方々が実践できる内容だとは思います。

STEP1:社長からのタスクは最優先で終わらせろ

大前提、社長というのは会社のことを一番真剣に考えている人です。そして社長は会社の「全て」について考えなければいけません。すると社長は常にマルチタスク状態になるわけです。マルチタスクというのは聞こえは良いですが、地獄です。社長には"深い"思考が求められます。その深い思考をマルチタスク状態で実現することは不可能なのです。なので社長はどうするかというと、「一つのことに対して一気に考え、一気に結論をだす」。これを何回も繰り返すことで会社の「全て」に対して「深く」考えることを実現しています。この状況を理解すると社長とコミュニケーションをする上で重要なポイントが見えてきます。社長がタスクを指示するときというのは、まさにそれについて"今"考えているわけであり、そのタスクが終わらないと社長は次のことを考えることができないということです。つまり、あなたへ指示されたタスクが常に社長の思考のボトルネックになる可能性があるということです。そのタスクを終わらせないと社長が次に行けない。次に行くとしたらマルチタスク状態に陥る。これ社長からするとすごいストレスであり、生産性が低い状態なのです。ちなみに、「事前に予測してタスクを早めに指示出しすれば良いのに」って思う方。それは無理です。社長は最も不確実性と戦っている存在です。事前の計画なんて当てになりません。なので社長は"今日中に"とか"明日までに"という無茶ぶりをよくするのです。確かに無茶ぶりなんですが、逆にいうと社長に無茶ぶりをするなという方が無茶ぶりなんです。そういう仕事なので。ということで、あなたがやるべきことはたった一つです。社長からタスクを振られたら無条件にそれを最優先にするということ。そして最速で終わらせる努力をすること。スピードは信頼の土台です。社長から「早いね!!」って言われたら合格点です。このスピード感を自分の中に染み込ませ、社長のボトルネックにならないことが信頼関係の第一歩なのです。このタスクに意味があるのかなんてことは考えなくて良いです。会社のことを一番真剣に考えている人が、指示するタスクなんで何かしら意味があるんです。意味を考える暇があったら、終わらせることに集中しましょう。

STEP2:「できない」を言うな

社長が嫌いな言葉ランキングを作るとしたら一位は「できない」じゃないでしょうか。「できない」と思ってたらそもそも起業しないですし、できると思ってるから言ってる訳です。当然社長の知識不足で実現不可能なことを言うこともあるでしょう。ですが逆に言うと、社長のその「やりたい」を叶えるためにあなたがいるわけです。その領域の専門家としてより実現可能性の高い方法を探るのがあなたの仕事です。社長にとって「できない」という言葉は言い訳でしかありません。失敗するのが怖くて自己保身をしたい人間の言葉でしかありません。社長は基本そういう人が嫌いです(笑)。もちろん時にはリスクを示したり、社長の意見を否定するときは必要です。ただそれは、あくまでも会社を前に進めるためのものであり、会社の動きを止めるものになってはならないのです。「できない」と思っても、まずはやってみましょう。全力でやって、できなかったことに対して社長は怒りません。「あっ、これはできないんだ」と学びます。社長が怒るのはやってもないのに「できない」と言ってやらないその"考え方"なのです。

STEP3:常に先手を取れ

社長は大抵、極度のビビリであり不安症です。それは優れた社長の資質の一つなのです。なので、「あれどうなってる?」「これはどうなってる?」ってめっちゃ聞いてきます。しかも突然。そして何も準備しないまま、あたふたして「えっと、、こんな感じです」と報告し、更に不安が募りどんどん質問が増えるという悪循環に陥ります。一通り事が終わった時に、「事前に言ってくれれば準備したのに」とか、「こういう言い方した方が誤解与えずに済んだのに」とか思う事がよくあるでしょう。ただ、僕から言わせれば社長に確認させてる時点でアウトです。社長が気になる前に報告すべきものは自ら報告する。常に先手を取るべきなのです。社長とコミュニケーションを取っていくと、どのくらいで社長が聞いてくるか、どういう時に社長が聞いてくるかはわかってくるはずです。なのでその一歩手前であなたから動くのです。あなたから動けば社長は「ちゃんと考えているんだ」と安心します。それが悪い報告でもです。悪い報告であるならばどう解決すべきか、すぐに相談に乗ってくれます。これが社長の確認から始まった場合だと、「どうすんの?」「今まで何やってたの?」という手をつけられないモードになるんですね。このモードは不安の極限状態だと思ってください。重要なことは不安を解消してあげるように先手で情報を渡すことなのです。

STEEP4:社長よりもできることを一個身につけろ

今は専門性の時代です。何事もそつなくこなす人よりも、何か一つでも圧倒的に優れている人の方が価値が高い時代になりました。そして、社長というのは仲間集めが最も得意な人です。社長は自分のスキルを高めるのではなく、自分よりもスキルの高い人を集めることで、最短で目標を達成していくのが仕事です。なので、社長が仕事を任せたい人というのは"自分にはできないこと"をできる人なのです。あなたが重要な仕事を任されたいのなら、自分にこう問うてください。「自分が社長よりもできることとはなんだろう?」と。その答えがあなたが社長から任される仕事であり、社長があなたに仕事を任せる理由なのです。

STEP5:3ヶ月に一度、期待を大幅に超える提案をしろ

上記4つを実践すればかなり社長の信頼を勝ち取る事ができると思います。少なくとも社長があなたに対して「不安」を持つことはないでしょう。ただし、それだけでは絶対的な信頼というのを得ることはできません。もしあなたがボードメンバーだったり、会社の運命を左右する重要な仕事を任されたいのであれば、必ず達成しなければならない事があります。それは社長の期待を「大幅に」超える事です。これができないと、本当に重要なことを任されるようにはなりません。そして社長の期待値水準とはベーシックめちゃめちゃ高いので、「大幅に」超えることってすごい難しいんですよね。ただ、ここにはコツがあると思ってます。重要なのは「頻度」「黙って準備する」という二点です。まず頻度ですが、3ヶ月に一度くらいがちょうど良いと思ってます。そんな頻繁に期待は超えられませんし、期待を超えるためには準備期間が必要です。ただ逆に期間が長すぎても、評価が蓄積されていきません。そうなるとスタートアップだと3ヶ月がちょうど良いのです。会社の方向性に合っており、かつ社長が考えもしないような切り口の提案を3ヶ月間準備して提案するのです。そして次のポイントはこれを「黙って準備する」ということ。先に言ったら期待値が高まってしまいます。期待値低めの中で提案するからこそ、差分が大きくなるのです。なので、日々社内でテーマになっているようなことに関する提案はあまり好ましくありません。日々議論されているので。そうではなく、誰かに考えて欲しいのだが、今は手をつけられないことや、長期的には考えないといけないような課題に対してのアイディアを「勝手に」・「黙って」考えていくのです。3ヶ月間考えると相当自分の中で突き詰めることとなり、自信もみなぎってきます。その状態でプレゼンするんです。すると社長からすると度肝抜かれるわけです(もちろん、社長は強く見せたがりなんで度肝抜かれたみたいな反応は見せませんがw)。そして、こいつは「会社に不可欠な存在」として社長からの強固な信頼を勝ち取る事ができるのです。もちろん、3ヶ月考えて提案したが、社長が考える方向性と違くて拒否されることもあります。その時はすぐに身を引きましょう。ダメな時はダメなんです。次のアイディアを考えた方がいいです。という事で、3ヶ月に一度、期待を大幅に超えられるようになったら社長からの信頼は確固たるものになります。

結論:社長についていけないと思ったらすぐに転職しましょう

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まとめると信頼というのは「スピード」→「マインド」→「情報共有」→「スキル」→「感動」という順番で少しずつ積み上げていくものであるということです。まぁ、この5STEPを見ると「えっ、社長のためにここまでしないといけないの?」みたいに思う人もいるでしょう。もしくは「私は今の社長のためにここまではできない」とか思う人もいるかもしれません。僕からすればそう思うのであれば今すぐに転職した方が良いと思います。上記のことをやっても良いと思える社長がいる会社に行った方が良いです。これはスタートアップに限った話ですが、それくらいスタートアップにとっては社長が全てです。なぜなら創業社長がいなければこの会社はなかったわけで、社長は人生の全てを賭けているので。社長が命をかけて、不可能だと思われていることや、今まで存在しなかったものを新しく産み出そうしているわけです。だから僕はスタートアップ企業というのは社長のものだと思っているし、IPOするまではそういうもんだと思います。その中で"社長"を言い訳にするのであれば、それはあなたのいるべき場所ではありません。今いる会社で、社長についていきたいと思うのであれば、変わるべきはメンバー側だと思ってます。自分自身がそうやって変わってきたし、水準の高い人間の近くで変われてきたから、ここまで成長できたと思っています。スタートアップってそういう場所なのです。