株式会社SCOUTERのCOOが人事を尽くして考えた

渋谷で「SCOUTER」を運営する株式会社SCOUTERのCOOがスタートアップ・組織について書いているブログです。

スタートアップが陥る「仕組み化」の落とし穴

加速する仕組み化の流れ

最近、仕事の生産性の話題が多くなり、それに伴い「仕組み化」に関するナレッジも多く世の中に共有されるようになってきました。スタートアップだとメルカリさんやwantedlyさんあたりがナレッジをたくさん公開しています。

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リソースの少ないスタートアップにとって、いかに無駄な時間を減らすか、仕組み化によって業務を効率化するかは成長角度の重要な要素、ひいてはビジネスそのものの利益率に大きく関わってくる重要な要素です。SCOUTER社でもサービスをリリースして一年がたち、この「仕組み化」に非常に力を入れております。CS・営業・マーケティング領域では続々と仕組み化を進めています。その中でも特に対人の仕事が多いCSの部門ではどれだけ仕組み化が上手くできるかがとても重要になってきております。

CSが陥る仕組み化の落とし穴

そんなCSの仕組み化ですが、焦って仕組み化を早まると非常にまずいことが起こります。極度な効率化による質の低下です。全てをテンプレートに、全てを最速で、全てを効率的に進めようとするあまり、対応の質がどんどん下がっていき、初期のユーザーが離れていきます。仕組み化を進めた途端に対応が変わってしまうのです。プロダクトの初期というのは、まだまだプロダクトの質が高い訳ではありません。その中でCSがユーザーを離脱させない一つの大きなポイントとなっているにも関わらず、そこの質が低下することはつまりユーザーの離脱に繋がります。

ベストクオリティーと仕組み化

対人コミュニケーションにおける早期の仕組み化がユーザー離れを引き起こす大きな要因になりうる。これがスタートアップが陥る落とし穴です。そのため、スタートアップは仕組み化を着手する前にやらなければいけないことがあります。「ベストクオリティー」の実現方法の模索です。それぞれのフェーズや、コミュニケーションにおいて「最高の対応とは何か」。これを突き詰めることです。これに時間を惜しんではいけません。初期のCSはひたすらこの模索を全ての時間を捧げてでも行うべきです。誰もが満足し、感動するような対応。これはユーザーが少ない初期こそ、一番模索できるタイミングなのです。そしてそれぞれのベストクオリティーが見出せた頃にはCSの人員も増加してきているはずです。そのタイミングから仕組み化・ノウハウ化・効率化を図ります。その出発点はあくまでも「ベストクオリティー」を誰でも・いつでも・効率的に再現するためにはどのような仕組み化が必要かという観点です。この観点なしに仕組み化の道を歩み始めると、その仕組み化はユーザーにとって悪にしかなりません。

CSは最後の砦

CSはユーザーの離脱を防ぐための最後のタッチポイントです。CSの後ろには何もありません。その先には無言での離脱しかないのです。最近ではCSが「カスタマーサクセス」と呼ばれるようになり、注目を浴びてきていますが、それほど重要なポジションになってきています。ユーザーの離脱を防ぎ・ユーザーをファンにし、プロダクトを前に進めるための意見を吸い上げる。これが全てできて初めてCSは役目を全うできるのです。決して日々の問い合わせを処理することが仕事ではありません。本質を見失った仕組み化は全てを悪い方向に導きます。効率的に悪い方向へ向かうのです。その恐ろしさは仕組み化が終わってから出ないと気づけません。だからこそ、徹底的な順序が必要なのです。「ベストクオリティー」からの「仕組み化」。これを担う一人目のCSというのはスタートアップにとって恐ろしく重要な存在です。

最高のCSメンバー募集しております

SCOUTERではサービスリリースして一年がたち、ようやく「ベストクオリティー」が出揃ってきました。そしてこれから「ベストクオリティー」を効率的に再現するための仕組み化を一気に進めていくことになります。数ある組織・サービスの中でもこれまでCSが中心のサービスはないと思っていますし、CSのレベルとしては最高峰を目指せる組織だと思っております。ぜひ、興味ある人がいましたら気軽に話を聞きにきてください。弊社CSメンバーと共にお待ちしております。

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